荻窪駅から車いすを押して15分ほどのところにある老舗のそば屋、本むら庵に行った。せいろを半分ほど残した母がそば志るこを食べたいと言うので、注文すると、母は舌鼓を打ってほとんど全部平らげた。「おいしい、これなら3杯食べられる」とご満悦だった。近ごろ、こういう他愛ないことをありがたいと思うようになった。 image昼食のあと、荻窪からまた電車に乗って吉祥寺へ行き、井の頭公園の入り口近くにあったコーヒー店をめざしたが、店はなくなっていた。5年以上前に店主が亡くなり、コーヒー店を閉めたそうだ。人が亡くなるというのは、こういうことなのだ。池畔で水彩画を描く老人が、その店主を思わせた。