新緑の黒部峡谷をトロッコ列車が走っていく。冷たい風を截りながら走っていく。往復2時間のトロッコ旅行、その約半分は鉱山の坑内のようなトンネルだ。

断続するトンネルを抜けると、峡谷沿いの新緑のなかを走る。緑の濃淡で彩られた風景がみるみるうしろに遠ざかっていき、しばらくするとまた暗闇に吸い込まれる。

この明暗交替が新緑の明暗を引き立てるのだろう。列車の揺れと明暗交替のせいで、乗客はみな新緑に酔ってしまう。