青梅線御岳近くの駐車場で自転車に乗り、御岳山ケーブルの滝本駅までの急坂を、休み休みしながら、一度も降りることなく登った。相棒を待つあいだ、動悸が鎮まるまで、路上に仰向けになっていた。なぜ、こんなに体を酷使するのだろう。
ケーブルで御岳山駅まで自転車を運ぶ。御岳山駅から日の出山まで山道にはハイカーもさほど多くなく、快適な走行を楽しむ。つゆ入りだというのに、日を浴びた樹々の葉が透きとおって輝いている。
日の出山の下で昼食をすませ、コッヘルで湯を沸かしてコーヒーを飲む。これが僕ら流の贅沢なのだが、いつもながらおいしい。前を通過して行く女性一人や二人連れハイカーに話しかけるのも楽しい。
同じ山道を戻り、御岳山の手前で大楢峠に下るルートに入ると、ハイカーもほとんどいない。急峻な断崖沿いの山道は細く、いまにも崩れそうな道が続く。バランスを崩せば断崖を真っさかさま、と思うと怖い。
大楢峠に着いて、きょう2杯めのコーヒーを飲んでいると、予定していたルートを先に行ったハイカーが、小熊を見たと言って戻って来たので、林道を下ることにした。
瓦礫の多いラフな林道を猛スピードで下るのも楽しい。街道に出る手前のトンネルのなかは漆黒の闇だった。最後は街道をクルマに抜かれながら走って御岳の駐車場へ。