信者たちは、コンビニ教徒の管理窓口を訪ね、5年ごとに踏み絵の儀式を受けなければならない。このとき、誰もが破門されるのではないかという恐怖に襲われる。破門されれば、教圏から追放される。
ここに一つ大きな問題がある。コンビニ教徒たちは、実は自分たちの信仰の中身を知ることができない。信仰に関する大量の文書が日々信者の目に触れ、膨大な量の音声データが信者の耳に入ってくる。だが、その信仰には体系がない。
だから、信仰心があるかどうか、誰にもわからない。にもかかわらず、5年に1回講習を受けて信仰心を新たにしないと、信者として再登録されないシステムになっている。
講師の多くは、もとコンビニ教会の登録係か、鉄道・バス・タクシー・船・飛行機などの駅員・運転手・操縦士、あらゆる交通機関の関係者がすべて講師の資格を持っている。
一般道路にある教導所あるいは高速道路の検問官はもちろん、サービスエリアの施設で働く者たちはみな信者であり、講師の資格を持っている。