1ヵ月ほど仕事に追われ、体調がすぐれない日々が続いたあとだったので、きょうのMTB山行は体力的に、また気持ちの面で自信がなかった。それでも、いつものとおりコースは友人Hまかせにした。彼は、決して無理な選択をしないからだ。
Hは1982-83年に北米とヨーロッパ(北アフリカを含む)を1年半かけて自転車で旅している。晩年にMTBに嵌まった彼に誘われた僕も、MTBを楽しむようになって5年になる。その間、週末を利用して月に1-2度、二人で青梅や飯能周辺の低山に出かけている。奥多摩や檜原にも何度か行った。
今回、Hが選んだのは、何度も行ったことのあるつるつる温泉の奥の峠、何度行っても登りがきついところだ。峠でいつもどおり麓のコンビニで調達した昼食をすませ、コーヒーを淹れる。そこから簗瀬(やなせ)尾根を経て軍畑(いくさばた)に下るコースだった。
樹木の根っこが交差する尾根道と丸太を階段状に配した下り坂をわめきながら一気に走った。やなせ尾根は僕の好きな山道の一つだ。段差のあるやゝ急な下りもおもしろい。
階段状の急坂を下りきった地点でHと二人で一息ついているところに、鮮やかな紅白フレームのAnchor に乗ったTさんが颯爽と現れた。一見僕より年配に見えたので、年齢を尋ねると同年生まれだった。何だかうれしくて握手してしまった。
Tさんはこの下りが好きで、よくやって来るという。その日、少し前にニホンカモシカの親子に遭遇したと言っていた。