韓国の友人と20年ぶりに再会した。周りを気にすることなく、しばらくひしと抱き合った。二人が出会ったのは1998年だった。韓国文化院に勤めていた彼と講談社系の財団で韓国語教育事業を担当していた僕はすぐに打ち解けた。たがいの経歴を話し、韓国と日本の仏教について話すなか、二人が所属する組織の事業とネットワークを総動員する一つの事業計画がまとまった。両者の求めるものが一致したのだ。
日本の高等学校で韓国語教育に携わる教員のための研修事業を実施する事業だった。いつも笑みを絶やさない彼の人柄のお蔭だろう。1ヵ月余り経った8月に東京猿楽町の韓国YMCAで第1回韓国語教師研修会を開催した。すべての条件が必然となって押し寄せたような時期だった。