MTBを始めて7年目、初めてひとりで山へ行った。いつも友人と二人で、行き先もコースも彼まかせだったのに、その彼が体調をくずし、行けなくなったのだ。これまでは中止にしたが、今回は試しにひとりで行くことにした。何度も行ったことのある場所だったのだが、

ひとりと二人ではまったく違う。バランスを失って転倒しても笑う奴がいないから、痛みと衝撃をひとりで抱え込むしかない。道の選択も自分だが、方向感覚が劣る僕は、案の定、道を誤った。日の射さない急峻にさしかかると、熊に遭ったらどうしよう、という不安がふくらむ。その恐怖心を追い払おうとして、ひたすらペダルをこぎ、自転車を押して登り、冷風を切って林道を下った。脚の筋肉がつり膝も痛んで、いつになく疲れた。駐車場にたどり着いてようやく緊張がほどけ、しばらくして安堵感に包まれた。