荷風の「濹東綺譚」を読む

永井荷風(1879-1959)の「濹東綺譚」を縦書き文庫版で読んだ。太平洋戦争に没入する前夜の1937年に刊行されている。「濹東」は墨田川東岸の意味だ。

荷風は「…小説をかく時、觀察の態度をきめやうと思ふ時は雁と灰燼とを讀返す。既に二十囘くらゐは反復してゐるでせう…」(縦書き文庫: 永井荷風>鷗外全集を讀む)と述べている。

「濹東綺譚」と鷗外の「雁」(1911-13)を比較することに意味があると考えるが、一方は大学生の若々しい感性で、他方は老成した文筆家の観察眼で女性を描いている。いずれの作品も世相批判であり、戦争反対の表明だと思う。

小説の創作過程を記述していておもしろい。自ら創作を試みる者にとって興味つきないが、真似するのはむずかしい。荷風だからなし得た手法であろう。この作品も高三か浪人のときに読んだと思う。若いときの好奇心だけで上っ面を読んだだけだろう。


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